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本のまとめ:『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイアモンド著

TEDの刺激的なスピーチに影響されたのか、無性に歴史書が読みたくなって購入しました。 www.amazon.co.jp

まだプロローグを読んだだけなのですが、上巻400ページのうち57ページを割いてしっかりまとめられていたので、一旦まとめておきたいと思いました。

何が言いたいのか

「各地域や人種によって歴史は異なる経緯をたどった。それは生物学的な要因であるとして片付けられることがある。しかしそれは間違いで、人々の置かれた環境の差異によるものである。その文明の親がアフリカ人であるか日本人であるかヨーロッパ人であるかは関係ない。」といったこと。

例えば、

  • アメリカの先住民族はヨーロッパからの移民によって植民地支配された。なぜ、その逆ではなかったのか?
  • なぜ黒人は白人の奴隷となり、白人は黒人の奴隷とならなかったのか?
  • オーストラリアのアボリジニが近年になるまで狩猟採集民族であり続けて、日本人がそうでなかったのはなぜか?

このような問題は歴史学でも長年手にあまる研究課題として棚上げされてきたとのことで、解明することは学術的に大きな前進になるとのこと。実際、文明の誕生に法則が見出せるとしたら、それはとても興味深いことだと思います。 これらの問いに対し歴史的経緯(直接的な原因)だけでなく、その歴史が生まれるに至った究極的な原因を突き止め、人類文明の進化の法則を導き出そうというのがこの本の内容です。 アメリカの先住民族はヨーロッパから持ち込まれた病原菌と軍事力、組織力により圧倒されました。ではなぜそのような要素はアメリカの先住民族の側に備わっていなかったのか?なぜある片方の文明は発展したのに、もう片方はしなかったのか?

興味深かった話題

  • 農耕により食料の備蓄が可能となり、社会にゆとりが生まれる。ゆとりが生まれることにより学術や産業技術が発達する。
  • 狩猟採集から農耕に移行した時期が最も早かった地域で、人類で最初の文字が発明された。
  • "近代文明社会"は"原始的社会"より優れているわけではない。確かに原始的社会に比べ、近代文明社会は物質的に豊かだし、平均寿命も長いが、すべての面で優れているわけではない。例えばコミュニティ内の暖かい結束や、個人の頭の良さでは狩猟採集民族の方が上である。1日中テレビを見てハンバーガーを食べていれば大人になれる社会と、日々危険と隣り合わせの生活をしている社会なら、後者の方が遺伝的に賢い人間が多く生き残っていると考えるのが自然である。
  • オーストラリア大陸は、食料生産が独自に始まらなかった唯一の陸塊である。

著者の生い立ち

  • 母は教師であり言語学
  • 父は小児遺伝病が専門の医師
  • 自身は医者を志していたが途中で生物学に切り替えたバードウォッチングオタク
  • 鳥が研究テーマだったため、研究のフィールドはジャングルの中。自然と原始的な人間たちの社会の中で過ごすことになり、現地の人間から鳥の名前を聞き出すのに100種類もの言語を使わなければならなかったとのこと。

言語学者と医者を親に持つバードウォッチャー生物学者。この研究成果はまさに生まれるべくして生まれたのだろうな、という印象を持ちました。

ここからは妄想ですが、

こういった日常の話題までも地理的要因から説明できたら、いい酒の肴になりそうです。 この日本列島に日本という国が生まれたのは必然なのか、偶然なのか。私やあなたがこの世に生まれたのは偶然なのか。愛し合うカップルの出会いは運命か... 歴史はロマンですね。

お後がよろしいようで。